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 雪山が出きるほど積もった雪。北田くん一人でもくもくと除雪をしている。そんな彼の腕めがけて、私は雪玉を投げた。 「って!!」 「なんで、先に言うのよ!!」  私が先に言いたかったのに。クラスメートに茶化されるのが恥ずかしくて。でも、嬉しくって。  もう一度小さな雪玉を作って。 「私も好きだよ!!」  今度は優しく投げた。 *  あれから、十年。  私たちは雪が積るたびに、文句を言いながら除雪しあって。 「あー嫌になるね。廉」 「そう言って嬉しそうだな。綾」  除雪が終わったら、雪玉を作って今も投げ合っている。今度は本音を言い合える仲になって。  雲間から差し込むわずかな太陽が、左手の薬指の指輪をキラリと光らせていた。 おわり
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