20人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
―――早く行ってくれよ。
僕たちは避難の準備が出来ているのに、前のクラスが進んでくれない。
どうやらその前のクラスも進めず困っているようだ。
「どうしよう、このままだと逃げ遅れちゃうよ」
女子のひとりが言うと、他の女子が泣き出した。
ふと何か外から聞こえた気がして教室の窓を見ると、窓にあの雪人形が張り付いて窓を叩いていた。
「あ、あれ?」僕は先生の静止を振り切って、窓の外の雪人形のそばに寄った。
「先生!見て!」
なんと窓の外には雪の滑り台が出来ていた。
それは学校の校庭の真ん中まで続いている。
雪人形が滑って見せ、手招きする。
先生は「ひとりずつ!順番に滑りなさい!」と僕たちを誘導した。
遅れて消防車が到着した。
雪で動けなくなった車が邪魔で、到着が遅くなったらしい。
だけどその頃には全員無事避難が終えていた。
そして、火も消えていた。
皆が避難した後、雪人形は滑り台と一体化し、燃えている校舎に入って行ったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!