雪の友達

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 ―――早く行ってくれよ。  僕たちは避難の準備が出来ているのに、前のクラスが進んでくれない。  どうやらその前のクラスも進めず困っているようだ。 「どうしよう、このままだと逃げ遅れちゃうよ」  女子のひとりが言うと、他の女子が泣き出した。  ふと何か外から聞こえた気がして教室の窓を見ると、窓にあの雪人形が張り付いて窓を叩いていた。 「あ、あれ?」僕は先生の静止を振り切って、窓の外の雪人形のそばに寄った。 「先生!見て!」  なんと窓の外には雪の滑り台が出来ていた。  それは学校の校庭の真ん中まで続いている。  雪人形が滑って見せ、手招きする。  先生は「ひとりずつ!順番に滑りなさい!」と僕たちを誘導した。  遅れて消防車が到着した。  雪で動けなくなった車が邪魔で、到着が遅くなったらしい。  だけどその頃には全員無事避難が終えていた。  そして、火も消えていた。  皆が避難した後、雪人形は滑り台と一体化し、燃えている校舎に入って行ったからだ。
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