第3話 相川 vs 綾菜

3/6
前へ
/60ページ
次へ
「それは、なんだよ。理由があるなら言えばいいだろ! どうせ寝坊しただけなんだろ!」  相川が怒り、邦恵や奏太が「まあまあ……」と怒りで熱くなった相川を落ち着かせる。  結局、綾菜は遅刻の理由を話さないまま、これからは遅刻しないよう気をつけると約束し、この話は終わった。  その日の昼休み、勇樹は奏太と会社の近くのカフェでランチをしていた。最近は奏太と会社の前のワンコイン弁当を買って食べたり、たまにカフェのランチを食べに行ったりしている。 「遅刻ばかりの綾菜ちゃんも悪いけど、あんな風にいきなり怒鳴る相川さんもどうかと思うけどね……」  ランチを食べつつ、奏太は今朝の一件について話している。  今日のランチはハンバーグランチだった。ハンバーグは勇樹の好物で、ここのカフェのハンバーグはデミグラスソースと肉汁の香りが鼻を刺激し、肉の味と柔らかな食感に初めて食べたときは感動したほどだった。
/60ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加