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「でも、それならジャングルジムのみんなにもお父さんのこと話せばよかったのに……事情が分かればみんな理解してくれるし、相川さんだって分かってくれたと思うよ」
勇樹は、綾菜が何故お父さんのことをジャングルジムのみんなに話さなかったのかが理解できなかった。
「……お父さん、自分が脳梗塞で倒れたこと、周りの人にあまり言ってほしくないんだって。脳梗塞になって麻痺が残ってるなんて知られて、周りの人を心配させたくないみたいなの。ジャングルジムはうちからすぐ近くだからさ、ジャングルジムでお父さんのこと話して、近所の人にも伝わっちゃったらお父さんに悪いんじゃないかと思って、言い出しづらくて……考えすぎかもしれないけどね」
見た目は派手なギャルの綾菜ちゃんは、俺の勝手なイメージとは違って、お父さん思いな優しい性格なんだと知った。
「でも、お父さんの介護のこと、ジャングルジムの人達にも話せばもっと仕事と介護がやりやすくなるかもしれないし、一度お父さんに確認して大丈夫なら、ジャングルジムのみんなにも事情を話してみるよ」
綾菜は明るい笑顔で勇樹にそう言った。
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