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 仕方なく次のページに行くと、男は満面の営業スマイルで話し始める。  なんなんだ、こいつは。 「あの、ですね。佐山さん、魔術って信じますか?」  俺は質問から入る回りくどい会話にストップを掛ける。 「結論から言ってもらえる? 俺、時間ないの」  男は、きょとんとした。 「何をそんなに急いでいるのですか」 「しーごーと。そんな悠長なやり取りしていたら、会社に遅刻するの」  俺は、もう男と話すのをあきらめて、湯を沸かしコーヒーを淹れる支度をした。 「えっと、まあ現状確認が取れましたので、とりあえず、これでオッケーです!」 「何が、だ?」 「それでは、お手間取らせまして、どうもー」 「えっ、ちょっ?」  俺がさらに何かを言う前に、男は威勢よく、ありがとうございました、と言って六畳一間のアパートを出ていった。
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