私が姉妹を消した理由

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英語の検定の面接対策として、話したり聞いたりする力を身につけないといけない。 これって、一人ではなかなか練習しづらい…… ということで、姉のマナに手伝ってもらっている。 発音を聞いてもらって、おかしな点がないかチェックしてもらっている。 「アイ、今のところの時制、おかしいんじゃない?」 マナが指摘してくれる。 英語では時制が大切。「過去」と「過去完了」の違いをしっかりと意識しないといけないのだ。 問題集で文法問題を解くときは、ゆっくり考えることができる。 けれど、実際に話すとなると過去か過去完了かを瞬時に判断して話さないといけない。 これがなかなかに難しい。 ということで、マナ姉さんにチェックしてもらう。 一見、効率の良い勉強に思えるが、実はそうではなかった。 マナが指摘してくれる間違いのほとんどは、私でも気づくようなことばかりだった。 実際のところ、マナの英語力は私と変わらない。 聞いてもらってチェックしているのだから、自分では気づけないような間違いを指摘してもらいたいと私は思っている。 しかし、英語の実力が同程度なので、指摘される内容は当たり前のことばかりになってしまう。 あと、英語で何かを伝える際にも、別の言い方があったりするが、そういうのも姉であるマナはあまり思いつかないようだ。 私では思いつかないような表現方法を教えてほしいなぁ、などと私は欲張りなことを考えてしまう。 一方、英語は一人でできる勉強もたくさんある。 私は英文をイヤホンで聞いてシャドウイングをしている。 英文を聞き、直後にその英文を復唱することをシャドウイングという。 正しく聞き取れていないと復唱はできないので、なかなか頭を使う練習だ。 何回もやっているうちに元の英文をだんだん暗記していくので、やりやすくなっていく。 英文ごと暗記してしまうのならリスニングにならないのではないか、とも思えるが、実は英文単位で暗記しておくと、いざ自分が英語で話すときに覚えた英文を使うことができるので、かなり役立つのだ。 そんなシャドウイングによる練習も、やはり毎日続けないといけない。 脳を英語脳にしていくためだ。 前に数日さぼったとき、それまで聞き取れていた英文が聞き取れなくなってしまったことがあった。継続の大切さを実感した。 私は普通の人間。 時には怠けたくなる。 英語の勉強は姉に付き合ってもらうことが多いので、私がサボれば姉にはすぐわかってしまう。 姉は優しいので、私がサボっても叱ったりはしない。 「やりたくない時に無理にやっても、効率悪いよ」 なんて言ってくれる。 そんな姉の言葉に私はいつも甘えてしまう。 今日もシャドウイングをサボってしまった……
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