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学校が終わり、疲れて帰宅した。
食卓には、ケーキの箱が置いてある。
「ケーキ、食べていいからね」
母の声が聞こえる。
箱にはショートケーキが一つ入っていた。
マナやメグミの分は、母はもともと買ってきてない。
ケーキを食べた後、英語の勉強とピアノの自主練に取り組む。
そして、夕食。
父は帰りが遅いので、母と二人での食事だ。
いつものことだが、会話はない。
私は母との無言の夕食に慣れてしまっていた。
しかし、今日は一言だけ、母からの言葉があった。
「明日、先生のところにいくからね」
「うん。わかってるよ」
それきり、私も母も黙ってしまった。
夕食が終わり、私は部屋に戻る。
私は決心していた。
今日は、姉のマナとも、妹のメグミとも別れるのだ。
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