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私は言った。
「マナ。いつも英語の勉強に付き合ってくれてありがとう。とっても助かっているよ。でもね、マナが教えてくれることって、私でも分かっていることばかりなんだ。ごめんね……」
マナは、自分の英語力をけなされて少し不愉快そうな顔をしたが、マナ自身にもその自覚があるのか、言い返してはこなかった。
私は続けた。
「それでね、私が勉強やピアノをサボっているときも、いつも優しい言葉で、休んでいていいんだよって言ってくれて、それも嬉しかった。けど、マナのそういう言葉に甘えてしまって……」
マナの顔に失意の色がありありと浮かんでいく。
マナは、私のよき理解者になろうとしていたのだ。
しかし、今、こうして私から拒絶されてしまっている。
マナは反論しなかった。
甘やかしすぎていた自覚があったのだろう。
私は言葉を続けた。
「マナは無理しなくていい、っていつも言ってくれるけど、やっぱり、ほんのちょっとは辛かったりきつかったり、そういうこともしないと成長できないと思っている。休むことも大事だけど、動くことも同じくらい大事だと思う。私、本当はもっと強くなりたい」
マナは黙ってうなずいてくれた。
私の決心を分かってくれたようだった。
こうして、前から言いたかったことをマナに言うことができた。
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