私が姉妹を消した理由

7/10
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
私は言った。 「マナ。いつも英語の勉強に付き合ってくれてありがとう。とっても助かっているよ。でもね、マナが教えてくれることって、私でも分かっていることばかりなんだ。ごめんね……」 マナは、自分の英語力をけなされて少し不愉快そうな顔をしたが、マナ自身にもその自覚があるのか、言い返してはこなかった。 私は続けた。 「それでね、私が勉強やピアノをサボっているときも、いつも優しい言葉で、休んでいていいんだよって言ってくれて、それも嬉しかった。けど、マナのそういう言葉に甘えてしまって……」 マナの顔に失意の色がありありと浮かんでいく。 マナは、私のよき理解者になろうとしていたのだ。 しかし、今、こうして私から拒絶されてしまっている。 マナは反論しなかった。 甘やかしすぎていた自覚があったのだろう。 私は言葉を続けた。 「マナは無理しなくていい、っていつも言ってくれるけど、やっぱり、ほんのちょっとは辛かったりきつかったり、そういうこともしないと成長できないと思っている。休むことも大事だけど、動くことも同じくらい大事だと思う。私、本当はもっと強くなりたい」 マナは黙ってうなずいてくれた。 私の決心を分かってくれたようだった。 こうして、前から言いたかったことをマナに言うことができた。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!