1人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
三人がエンジョイしている間、空のもくもくとした雲は、どんどん大きくなり、海水浴場に近づいくる。
発達するだけ発達した積乱雲は、海水浴客の目の前にそびえ立つ巨塔と化していた。
「そろそろ建物の中に入ったほうがいいんじゃない?」
静香が不安そうな顔をしながらそう言うも、麻里は
「まだ青空が出てるし、だいじょーぶ」
と言って、海に向かって走り出した。
麻里が走り出した直後、風が吹いた。風は特別強いものではなかった。
麻里が波打ち際の一メートルくらい前まで近づいたその時――
辺りは閃光に包まれた。
同時にけたたましい爆音が鳴り響く。
「きゃあああああーっ!!!」
「うわっ!」
「ぎゃあっ!!」
海水浴客達が次々と悲鳴を上げた。
その中には静香やおかっぱ頭の少女も含まれていた。
最初のコメントを投稿しよう!