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あの子が亡くなって62日目の今日。
私は今日こそはと待ち伏せをすることにした。
1回見てしまうともう二度と来てくれないような気がして迷って迷って。
でも、成仏はしてほしいし、というかこれが他のナニカだったら怖いし。
いつもエサをあげる7時、私は6時45分から玄関の前で待機をしていた。
来たことがわかるようにビニールも玄関前に敷いた。
かすかな物音を聞き逃さないようにドアに耳をつけてひたすらその時を待つ。
そしてかすかにクシャっという音が聞こえた瞬間思いっきりドアを開けた。
そこには待ちわびたように驚きもせずどしんと構えたチェリーちゃん改めお嬢。
そのしっぽは2本に分かれていた。
思わぬ再会に泣きそうになる、が、しっぽが2本。
やっぱりお尻を向けていたのか…。
期待したうれしさを裏切られて脱力する。
へなへなと座り込みお嬢を見つめる。
というか、このシチュエーションって…もしかして…。
お嬢がおおよそ猫の口とは思えない口の開き方をする。
その次に出てくる言葉を想像しながら、私は魔法少女系の主人公の年齢と自分の年齢を比べて、さらに脱力するのだった。
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