筆なぞ折ってたまるか!

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ヘビースモーカーだ。 芥川と太宰に憧れ、大学2年で、タバコを覚えた。 もちろん大学は留年中。 講義に出るより、自分で立ち上げた劇団の稽古場にいた時間の方が長い。 世間ではそれをグズという。 「あぁぁぁ、書けない!」 スパスパ。本数は増える。 ぷちん。 ついに滞納していた電気が切れた。 「ぎゃあああ!」 パソコンは古いのでデータは飛んだだろう。 「パソ子ー、壊れるなよー。」 壊れているのは、お前の頭だ。 大学に行け、単位を取れ。 学生の本分は勉学だろう。 「時間や。遅刻する。」 ズルズルのジャージで、稽古場までチャリを漕ぐ。 ここから朝まで私は家に帰れない。 劇団とキャバクラバイトで、寝る時間はない。 それでも、 私は筆なぞ折らない! 筆をおく時は死ぬ時だ!
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