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私が困っていると、
「ちょっとー。小雪をいじめないでよー。」
と、準備室の入り口から声がしました。
「!?」
私と会長は声の主の方向を見ました。
くりくりとしたアーモンド型の目。黒くてサラサラなショートヘア。細めの身体にミニスカートの制服。
「まお!」
私の幼馴染の猫田まお(14)です。ちなみに化け猫の子孫です。
「あれれ〜。先生からの用事だって小雪を呼び出してたのに、何をしているのかにゃ〜?こんな人気のない教室で後輩と2人きりとか……」
「猫田さん、だったかな?ここで話すように先生に言われているんだ。」
会長はキラキラとした笑顔で応対しています。
「ふーん……?ボクには会長が小雪を脅しているような会話が聞こえた気がするんだけどなあ……?」
そう言うと、まおはスマホの写真を見せてくれました。ちょうど会長が私に手を伸ばしている瞬間の写真で、カツアゲしているようにも見えます。
「い、いつからいたんだ……!」
まおはいつの間にか私と会長を盗撮していたようです。
「しかも小雪、ちょっと泣きそうな顔になってるし……。この画像が出回ったら、会長、やばいんじゃにゃいの〜?」
まおは楽しそうにニヤニヤとしています。
「くっ……!」
会長が悔しそうな顔をしています。ああ、助かった。まお、ありがとう!
そうしていると、
キーンコーンカーンコーン。
予鈴が鳴りました。もうすぐ昼休みが終わります。
「あ……私、次の時間、移動教室でした!そろそろ戻らなくては……!まお、行こう!」
良かった、助かった、とホッとしながら私は会長の元をそそくさと逃げ出しました。
「あ、待ってくれ!先生から頼み事があるのは本当で……!」
会長が何やら叫んでいたようですが、気にせずに逃げ出しました。
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