2#ドラゴンとの出逢い

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 僕がまだ子供だった頃だ。  「おい!チビドラゴン!!立てよゴルァ!!」  「やい!!チビドラゴン!!おめえの親ドラゴンが村を暴れたせいで、街はメチャメチャになって焼け野原になったんだけどさあ!!  弁償してくれねぇか?!」  「なあ!チビドラゴン!!俺の家族を返せよ!!  おめえに踏み潰されて皆死んじゃったんだけどさあ!!」  「こいつのせいで、もう家が無くなったんだけどさあ!!」  「なあ、チビドラゴン!迷惑なんだよ!!」  「チビドラゴン!!クタバレや!!」  チンピラみたいな子供達が、路上で一匹の子ドラゴンを囲んで殴る蹴るの暴行を加えてた上にいたのを通りすがりの僕は見付けたとたん、居ても立っても居られなくなり慌てて飛び出して割って入った。  「何だおめえは?」  ドラゴンを殺さないで!!  僕は、ブルブルと震える傷だらけの子ドラゴンの前に大の字で立ち塞がった。  「あ、こいつ。あの魔道士の息子じゃね?」  「そうだ!!魔道士の息子なら、何か魔法が出来るんじゃね?」  「なあ、魔法ここでやってみろよ!」  僕はその頃はまだ、大魔道士と呼ばれた父から魔法を伝授される為の修行の毎日を送っていた。  しかし、魔法師の素質が無いのではないか?と思われる位に、あの頃の僕は全くの無力だった。  「あ、やっぱり木偶の坊の偽魔道士だ!!」  「偽魔道士!!」「偽魔道士!!」  子ドラゴンをいじめていたチンピラどもに、僕は囃し立てられた。  カチン!ときた僕は、とっさに覚えたての魔術・・・人や物を消せる魔法をチンピラどもにかけてやった。  するとどうだろう。  今さっきまでここに居たチンピラどもが、奇麗サッパリ消滅してしまったのだ。  あれ・・・魔法使えちゃった!!  これが、生まれて初めて使った魔法だ。  虐げられている、可哀想な子ドラゴンを助けたいが強い思いが、僕の魔道士の素質を見出したのだ。  もう大丈夫だよ、子ドラゴン。  僕は子ドラゴンを抱きかかえて、突然人が消え去ってざわつく住民の視線を感じながら、この街をそそくさと立ち去った。
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