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父の大魔道士を継ぐ修行も佳境に入った。
僕は、父の目を盗んで山奥で暮らしている秘密の友達に逢いに行った。
元気だったか?ドラゴンのギル。
いじめられてボロボロだった子ドラゴンも、すっかり成長して巨大な逞しいドラゴンに成長していた。
僕はこのドラゴンを『ギル』と名付けた。
ドラゴンのギルは僕の呼びかけに応じて、優しい目で僕を見詰めてニッコリと微笑んだ。
僕はドラゴンのギルと一緒にめいいっぱい遊んだ。
僕を背中に乗せて大きな翼をはためかせ、空の散歩を一緒に愉しんだり、ひと時の冒険をした。
しかし、あくまで大魔道士の父はこの事を知らない。というか、大魔道士の父には僕がドラゴンのギルと居る事は父には内緒なのだ。
何故なら、大魔道士の父はドラゴンを心から憎んでいるからだ。
「なあ、昨日何処へ行ってた?」
ギクッ!!
バレたか?と思ったが、僕は転機を効かせてこう言い訳した。
1人で山奥で魔法の修行をしていました!!
嘘は嫌な自分でも、ドラゴンのギルの為なら見え透いた嘘さえもついた。
そして幾年月が経ち、遂に僕は魔道士の父に免許皆伝のお墨付きを戴いた。
これで、晴れて僕は魔道士としての日々を迎える事になる。
そんな時、
「うちの村が大きなドラゴンに襲われた!!」
「貴方の村もそうですか?!」
私の村は、建物は全滅!!犠牲者もいっぽい出た!!」
「もう堪忍袋の緒が切れた!!ドラゴン退治だ!!
ドラゴン討伐の為に、ギルドで討伐パーティを募れ!!」
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