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魔道士となった僕は、魔道士として食い繋がらければならない。
当然、ギルドでの討伐依頼の依頼金には目を通して積極的にパーティの募集には参加して、依頼はこなしたが・・・
ドラゴン討伐だけは避けた。
もしかしたら、このドラゴンがあの子供の頃から仲良くしていたドラゴンのギルかも知れなかったからだ。
しかし、それも避けられない事態に陥った。
「ウホッ!!これは凄い懸賞金だな!!おめえ、魔道士だろ?俺のパーティに入れてやろうか?」
そう言って僕をパーティに迎えようとしたのは、何時も僕をパーティに迎えたら僕を悉く侮辱して罵倒してくる柄の悪い勇者面した剣士だった。
「け、結構です!!」
「駄目だ!!この村々を悉く襲って壊滅させた凶悪ドラゴン討伐の為ならおめえの魔道士の能力が必要なんだよ?!
あ、パーティ拒んだらおめえの名魔道士の醜聞をこのギルドに言いふらしちゃおうかな?!そしたら、誰もパーティに呼ばれなくなるぞー!!」
そう傲慢剣士に脅されるように呼ばれた僕は、他の柄の悪そうなパーティ仲間と共に凶悪ドラゴン討伐に渋々出かけた。
「ゴルァ!!さっさと歩け!!」
僕は、パーティ仲間に詰られながら凶悪ドラゴンの住処への冒険をさせられた。
そんな屈辱は何度も経験したから、食いつなぐ為の依頼攻略だからとどうでも良かったが、心配は討伐するドラゴンがドラゴンのギルだったら・・・と。
ぐおおおおお!!!!
「居た!!こいつだ!!」
ええええええ!!君は!!ギル!!ギルじゃないか!!何で?何で?!
僕は変わり果てて凶暴になってしまった、ドラゴンのギルに激しく絶望した。
「おめえ!!早く魔法攻撃するんだよ!!」
剣士は躊躇する僕の胸ぐらを掴んで、凄い剣幕で怒鳴った。
そ、そんな事言っても・・・
もしかしたら、ギル!!僕を、僕を探して・・・村を漁って・・・?!
はっ・・・
僕は、凶暴になったドラゴンのギルと目が合った。
あの頃、子供時代に一緒に遊んだひと時と同じ澄んだ優しい目をしていた。
「ゴルァ!!撃つんだよ!!おめえ消滅魔法が得意なんだろ!?さっさとこのクソドラゴンを消せ!!」
「さっさと消せのろま!!」「ドラゴン消せ!!」「また殴られたいか!!」
パーティ仲間は、僕を後ろで激しくけしかけてきた。
やだ!!やだ!!やめてくれーーーー!!
僕は涙目で、思い出の詰まった友達のドラゴンのギルに、消滅魔法を放った。
もうどうでも良くなった。
今度は、僕を虐げられ続けた傲慢剣士とそのパーティに消滅魔法放ってこの世から消した。
やった・・・やったぜ・・・やってしまった・・・
数日後、今度は僕自身への討伐依頼の募集がギルドに貼られた。
〜さようなら、愛しのドラゴン〜
〜fin〜
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