魔獣使いのとある少女

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魔獣使いのとある少女

一度死んだ者が別の存在となり生まれ変わることを“転生”と呼ぶ。 今の私は6歳。容姿は、この歳にしてはかなり可愛らしい幼女だ。そして、唐突に思い出した。前世のことを。 どうやら私は転生してしまったらしい。“らしい”というのも、私自身がまだ現実を受け止められていないのだ。 前世を思い出す3日前のこと。私はとある森にいた。 「魔獣使い」と言い、この世界に人間と共に混在している魔獣を手懐け、魔獣使いである本人も“魔法”を唱え、魔物を倒す仕事をしているのだ。そうと言っても、私はまだ魔獣使いの見習い。技も半端で、魔獣を完全に手懐けていたとしても、一人で魔物と対峙することは危険だ。一人前になるには15歳を越えなければならなかった。将来、最強の魔獣使いになるため、師匠の仕事の合間に修行を受けさせてもらっていた。 そんなある日、私はとある森で師匠とはぐれてしまったのだ。一人で彷徨っているなか、魔物に目をつけられてしまった。 私は手懐けた魔獣を召喚し、先制攻撃をするもダメージには及ばない。試しに師匠から教わった魔法を唱えてみる。 「百雷の矛(ケントゥムトニトルス)」 そう唱えると、100個の雷が魔物を襲う。魔物は麻痺状態に陥るも、レベルが高いため、攻撃の威力はあまり下がらない。 とうとう私の魔獣が力尽き、瀕死状態になってしまった。残されるは私のみ。一対一の勝負が始まる──!! 「炎の竜巻(フランマトゥルボー)」 竜巻のよう炎が魔物の体を包み込む。その時、魔物の目が赤く光る。 !?ま、まずいわ!赤く光ると私の今のレベルじゃ倒せない……! どうしよう……?一か八かで魔物と同時に攻撃するしかないわね。そうすると、もし魔物を倒せたとしても、私も一緒に“死ぬ”──! 覚悟を決め、今の私のレベルで一番強い魔法を唱える。 「白蓮の雷槍(トニトルスハスタ)」 槍状となった雷が魔物の体を貫く。 それと同時に私の体を青い炎が包む。そこで私の意識は途絶えた。
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