赤い鎖が消えたら

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近付いてそれを覗き込んでみるとまるまる太った豚が倒れていた。 …いや違う。 倒れていたのはうちの叔母さんだった。 叔母さんは雪の上で白目になって倒れていた。 よくよく見てみるとどうやら息もしていないようだった。 こう言う場合 普通の人なら慌てて救急車なりなんだりさっさと呼ぶのだろうけど私は誰かにこの人を助けてもらいたいとは思わなかったし、自分自身も助けたいなんて一ミリも思わなかったから呼ばなかった。 いつも迷惑かけられて嫌な思いさせてくるくせにこんな時ばっかり助けて下さいだなんて言われたってただ腹が立つ。 なんだろう、このまんまるな顔は。 なんだろう、このぱんぱんな身体は。 じっくり見れば見るほど近くに転がってる大きな石で殴りたくなってくるほどムカつく。
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