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光成君は、私が困っていた時に助けてくれた、救世主兼友達である。ある日、私が体育の日に腹痛が酷くなって保健室にきた時、彼もベットで休んでいた。その時光成君は「大丈夫?」と初対面の私に心配してくれて、更には先生を呼んできてくれたのだ。普通知らない人にそこまでする?と思っていたけれど、普段から誰に対しても優しい光成君にとっては大したことでは無かったらしく、さらに仲良くなりたいと思って私から猛プッシュしたのだ。
「ほんといつまで経っても変わらないよね」
その図々しさ、と光成君は呆れた顔で私を見る。思い出してたらなんだか嬉しくなった私は、気分がすこぶる良くなったように感じた。負けじと笑い返すと、光成君も笑って親指をグッと突き立てた。
「でしょ?あやも考えすぎないようにね」
私が最近疲れてること、なんでか知ってくれていたのだろうか、いつもより明るい光成君を見て、いい人だなと胸が一杯になった。「大丈夫?」とまた心配されたので、私は伝えた。
「んーん、光成君いてくれれば大丈夫だから」
彼の髪が、後ろの窓からさす光に照らされて、私は暫くじっと彼を見つめていた。今日の彼の指先にも同じ夕暮れ色が広がっていた。
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