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13-7
18時。
しばらく湾沿いをドライブした後、怜さんの行きたいという店にやって来た。今、食事をしている。その店は、怜さんが通っていたという洋食店だ。海外で活躍する人なのに全く気取らない。美味しそうに、ケチャップがかかったオムライスを食べている。
可愛いパートナーが出来てよかったね。そう言いながら桑園さんから微笑まれる度に、早瀬がぶっきらぼうに頷いていた。さすがにしつこいぞと言いながら。桑園さんとは遠慮のない関係のようだ。
「裕理君の秘書時代の話をしてあげようか?」
「聞きたいです」
「やめてくれ」
「数々の恋愛話を教えてあげる」
「桑園さん。さすがに怒るよ」
「もうーーー。裕理さん。いいじゃん」
「ほらね。悠人君が聞きたがっている」
(こんな一面が出せるっていいな……)
早瀬の秘書時代の話を聞いた。今よりも笑っていなかったという。俺の前では賑やかなのに。なんだか嬉しくなった。他にも色々と聞いたが、さすがに恋愛話は聞かせてもらえなかった。早瀬が帰ったら付き合っている相手の荷物がなかったと桑園さんが言いかけた時、早瀬が本気で怒ったからだ。
それを見て、桑園さんが、本当に変わったなあと言っていた。今までなら平気だったそうだ。早瀬が睨み付けてきた。俺の前だから話して欲しくないと言っている。その様子に、桑園さんが”本当に良かった”と言ってくれた。
「ごめんね。悠人君。連絡先を交換しようよ」
「喜んで!」
「次はいつ会う?裕理君抜きでさーー」
「ふむふむ。俺の方は4月6日と7日が良くて……」
「その日なら、僕も空いているよ」
桑園さんと連絡先を交換し、今度は4月7日に会う約束をした。最初は早瀬抜きが良いと冗談を言っていた桑園さんだったが、早瀬も入れてもらえた。
新しい居場所が出来た後、こんなに良い出会いがあった。早瀬の過去へのタイムスリップでもあった。
ばいばい。またね。明日連絡するよ!
桑園さんと手を振り合って、ホテルの前で別れた。
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