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ジャスティンとマリア
ボクの名前は明智正義と言う。
山羊座のAB型。彼女いない歴、生まれてからずっとだ。女子の友達といえば幼馴染みのマリアだけだ。
ニックネームはジャスティン。
ただしそのジャスティンと言うのはマリアのつけたニックネームだ。
彼女はボクの名前が正義なのでジャスティンと言い始めたと言っている。
だが、本当は彼女が昔見ていた魔法少女の活躍するアニメに由来している。
そのアニメに出てきた正義の味方の男性キャラクターの名前だ。
魔法少女たちが窮地に陥った時に、決まって現れる正義の味方の名前がジャスティンと言った。
どこからともなくさっそうと現れて魔人や悪い魔女たちを倒すジャスティンのことが気に入ったみたいだ。
そこから名づけて、ボクの事をジャスティンと呼ぶようになった。
ただアニメのジャスティンと違ってボクの方がかなり下に見られていた。
いつもアゴで使われて困りものだ。
彼女の名前は織田マリア。
通称、『オダマリ』と言う通り気が強くてワガママだ。もちろん本人に面と向かって『オダマリ』とは言えない。
家もすぐ近所ということで、家族ぐるみの付き合いだ。
自分勝手でボクの事を忠実なしもべのような扱いをしていた。
顔もアイドルみたいに可愛らしいので、ボクも逆らう事ができない。
マリアの方が1歳年下なので妹のような存在だった。
なにしろわが明智家と織田家と言うのは因縁深い関係だ。
本能寺の変で織田信長を討ったのは、他ならぬ家臣の明智光秀だった。
もちろんボクは明智光秀とはなんの関わりもない。マリアも織田信長と所縁があるわけではない。
今年のゴールデンウィークもマリアはボクの家へ入り浸りだ。
マリアはボクの母親のお気に入りのようだ。マリアもボクの母親の前では猫をかぶっていた。母親もひとり息子のボクよりもマリアの方を可愛がっていた。
もはや家族の一員のような感じだ。
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