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勇者ジャスティンかよ
「ムチャクチャ言うなァ。ジャイアンか」
呆れてモノが言えない。
「そんなコトより大事な話しがあるのよ」
「はァ大事な話しが……、なんだよ?」
まだなにか話しがあるのか。
どうせろくでもない話しだろう。
「ンううゥッと、ねえェ、マリアは魔法少女なのよ」
少し躊躇いがちに応えた。
「えェッなんだって?」
「なによ。聞こえないの。魔法少女なのよ」
「いやいや、ちゃんと聞こえたけど。魔法少女だって。マリアがァ?」
あまりのバカバカしさにオウム返しだ。
いったい何歳になったんだろう。小学生の低学年じゃあるまいし魔法少女だって。
「そうなの。だからみんなには内緒よ。わかった?」
シーッと人差し指を唇に添えてみせた。
「あのなァ、内緒もなにも。絶賛、厨二病の真っ最中だろう。漫画かアニメの見すぎじゃん。フリーレンか。それともハリー○ッターのハーマイオニーか?」
「ン、なによ。信じないの」
ムッとして唇を尖らせた。
「信じるかよ。マリアが魔法少女ならオレは異世界の大魔王を退治する勇者ジャスティンかよ」
「まさか。正義はただの使いっぱのポンコツ勇者よ」
「えェッなんだよ。そりゃァ、マリアは魔法少女でオレは使いっぱのポンコツ勇者なのか?」
「そうよ。びっくりした?」
「まァ、びっくりしたというよりもバカバカしくて呆れ返ったって言う方が合ってるな。まったく重度の厨二病だなァ」
アホらしくて話しにもならない。
「はァ、信じないの?」
またマリアはバカにしたようにあざ笑った。
「悪いけどボクは勇者ヒンメルじゃないんだ。魔法少女マリアと一緒に魔王を退治する気はねえェからさァ」
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