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魔法少女と
「魔法少女マリアと一緒に魔王を退治する気はねえェからさァ」
ボクは肩をすくめて苦笑いを浮かべた。
「そうマリアだって、ポンコツ勇者と魔王退治なんてする気はないわよ。ふぅン」
彼女も怒ってそっぽを向いた。
「はァ〜……」ボクは小さくため息をついた。
「なによォ。思わせぶりにため息なんてついて。信じてないの」
マリアは聞き捨てならないと、ふて腐れたような感じで聞き返した。
「ンッ、マリアが魔法少女だってことか?」
「ええェ」
「そうだなァ。もしマリアがホントに魔法少女だっていうなら学校の宿題もボクに頼まないで、パッパッとご自慢の魔法で片づけたらどうだ?」
ボクは逆に提案した。
いつだってボクはマリアに宿題を無理やり押し付けられていた。
「フフゥン、おバカさんね。宿題はジャスティンにやってもらうのが、一番面白いんじゃない」
マリアは鼻で笑ってみせた。
「はァなんだ。そりゃァ全然、面白くないよ。頼むからこれから宿題はご自慢の魔法でやってくれよな。いっさいボクの手を煩わせないで」
大げさなジェスチャーつきでアピールした。
「なんでよ。ジャスティンは、宿題をやるくらいしか能がないじゃん」
上から目線でボクの事を揶揄した。
「ぬうゥ、宿題をやるくらいしかって、ふざけるなよ。どうせ魔法を使えるなんてウソなんだろう」
「ふぅん、わかったわ。じゃァ魔法を見せれば納得するのね」
「えェッ、別に、納得もなにも」
ボクは視線を逸らせた。端から魔法なんて信じていない。
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