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絶対に秘密だよ
「ねえェねえェ、絶対に秘密だよ」
突然、マリアがボクの肩を掴んで揺り動かして耳打ちをした。
いつものことだが、女の子にしてはヤケに馴れ馴れしい。まるで仔猫みたいにジャレつてきて笑みを浮かべていた。
イタズラ好きの小悪魔みたいな微笑みだ。
「えッ?」
ボクは背中に抱きつかれて思わずドキッとし身構えた。一気に心拍数が急上昇だ。
ほのかにさっき食べたチョコレートの甘い匂いがボクの鼻孔をくすぐっていく。
「はァ、な、なんだよ。秘密って?」
眉をひそめ怪訝な顔でボクは聞き返した。不意に背中から抱きついてきたので動揺を隠せない。
気をつけなくてはならないだろう。
こういう時のマリアはヤバいことの相談だ。宿題を手伝えとかの頼み事か。
それとも何か欲しいものがあるので借金を申し立ててくるのだろうか。
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