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「ジュリア!こっちこっち!カミーユも早く!」
「待ってリシャール様」
「兄上待って~」
昨日見付けた綺麗な花を、二人に見せるんだ
あった!
「ほら!見て見て!」
「わぁ~。綺麗」
「ほんとだ~」
ほらね
絶対喜ぶと思ったんだ
二人が笑ってるのが1番楽しい
もっともっと色んな事知って、二人を楽しませるんだ
「ジュリア、カミーユ。今年も受け取ってくれるかい?」
「勿論です。ありがとうございます、リシャール様」
白い生地を多めに使ったドレスを身に纏ったジュリアが、嬉しそうに微笑んで受け取ってくれる
「兄上。とても嬉しいですが、来年からはジュリアにだけ渡して下さってけっこうですよ」
カミーユが、少し困ったような顔で言ってくる
「そういうわけにはいかない。愛する人に送るのだから、カミーユお前だって勿論当てはまる。それに、この花を三人で見付けて楽しく笑っていた思い出は、俺にとってとても大切なんだ。こうして今年も、その思い出の花を二人に送れた。また俺の大切な思い出が増えたよ」
またこうして三人で、この花を見て笑えた
なんて幸せなんだろう
「分かりました。では、来年からは、僕も白地の装いで受け取らせていただくとしましょう」
「まあ、カミーユ様。それは名案ですね」
カミーユとジュリアが、楽しそうに笑っている
二人を見ていると、自然と笑顔になれる
愛おしい
そう思えるからこそ、本当に大切なものが何なのか見失わなくて済む
また来年も、二人の笑顔と、この白く可憐な花と…
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