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「真澄君!」
帰ろうとしていた時、廊下から声が聞こえてきた。
教室から出たところで、思わず隠れる。
「神田先生」
「今はその呼び方はやめてよ!沙綾って呼んで!」
「いいの?ここ学校だよ」
「私が許すから大丈夫だよ!」
その声には聞き覚えがあると思ったけど、養護教諭の神田先生だった。
先生とは思えないほど抜けているところがあるけど、優しく可憐だから男女問わず好かれていた。
神田先生が佐川君を名前で呼ぶってことは仲が良いのかな……?
そんな様子今まで見受けられなかったけど……
「分かったよ。沙綾」
佐川君の声には妙に優しさがこもっているように感じた。
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