怪盗バニーガール

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月夜の晩に、怪盗バニーガールが僕の車を盗む姿に遭遇した。 「ちょっと待て貴様、俺の車になんばしょうとか」 バニーガールのコスプレをしたおっさんが、ガソリンを満タンにして必ず返すと叫んだ。 「そげな問題じゃなかろうが泥棒」 僕も叫んだが、怪盗バニーガールはお構い無しに車を盗んで逃げた。 「新車にして返せよ、泥棒貴様この」 そう怒鳴ってやった。 「ケチ臭かったい、なんがガソリンを満タンにして必ず返すじゃ馬鹿タレが」 僕の車にはGPS機能が搭載されていて、スマートホンで居場所がわかる。 自転車で速攻追いかけた。 僕の車は見るも無残、怪盗バニーガールは事故っていやがった。 1ヶ月後、僕の車庫に新車が届き、装備も一新されていてガソリンが満タンだった。 怪盗バニーガールが僕の名義でローンを組み、新車を買って届けさせたのだ。 「なんばすっとか、あの馬鹿タレ、新車にして返せとは怒鳴ったばってん、俺の名義でローンば組まれたら、お金ば払っていくのは俺のぞ」 怪盗バニーガールは、約束を守る怪盗だった。 しかし、敵は多い。 今日も誰かに、追いかけられている。 そりゃそうだ。 あとがき 少しは笑えたでしょうか、僕が二十歳になったときに、マルチ商法に引っ掛かった親戚のおばさんから、お祝いに指輪が必要ねと、勝手に三十万円もする指輪のローンを、言葉巧みに組まされた苦い思い出があります。 それを思い出して、勝手にローンを組まれた話し、怪盗バニーガールを書いてみました。 保護者の承諾を得ず、ローンが組める年齢になったら、悪い奴等に狙われるので十分お気を付け下さい どうも、六白でした。
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