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私は桐野江浩介。捜査一課の刑事だ。
殺人事件が発生。
被害者は植松順子。
第一発見者は被害者の夫、植松秀一。
小学生時代からの幼馴染だ。
秀一とは同じ高校の剣道部に入り、青春時代を共に過ごした仲だ。
部内試合で秀一に小手で一本を取られたことを覚えている。
秀一は小手を得意技としていた。
秀一には別の高校に彼女がいた。
彼女の名前は森谷可南子。
セーラー服が似合う美少女で、秀一とはお似合いだった。
そんな二人を私は羨ましく思っていた。
秀一には陽介という兄がいた。
陽介は剣道は習っていなかったが、休みの日には俺たちと一緒に遊んでいた。
陽介は体が大きく力持ちで、気はとても優しいやつだったが、不登校になり高校には進学せず、たまに日雇いで働いていた。
私、秀一、陽介、そして可南子の四人で遊ぶことも多かった。
秀一の彼女である可南子に、私はひそかに憧れていた。
それは誰にも言えない感情であった。
高一の終わりに秀一は転校した。
それ以来、私は秀一たちのことをすっかり忘れてしまっていた。
その秀一の妻、順子が殺された。
秀一が可南子と結婚していなかったのは意外だった。
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