のろのろ先輩

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 静かに駆け出す。  二人の間に強引に割り込む。  精一杯に両手を伸ばす。  いとも簡単に手が届いた。  蓮斗は驚きに目を見開いて立ち止まる。希美は恐怖を顔に浮かべ、無意識のうちに掴もうとしているのか教室の窓枠に手をかける。  開け放された窓が、僕の目の前に大きく広がっている。  希美の身体を押した。血が流れている、生きている感触があった。  刹那。。  視界一杯に、夕焼け色が広がった。
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