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 幸せそうに笑う彼女に微笑みかけながら、俺は内心ほくそ笑んでいた。さて、彼女からどれくらい奪えるか。そう、これはすべて、仕組まれたことなのだ。  彼女のやっていた恋愛ゲームは、実はプレイヤーの個人情報を知るためのものだった。プレイヤーの性格や好みだけでなく、住所や財産など多くのことを、登録情報やAIとの会話から調べ出す。お金を持っていて、扱いやすい女性だと判断できれば、行動に移す。実際に会って、知り合い、付き合い、お金を出させるのだ。  そして彼女の場合は、まさにその扱いやすい対象だった。彼女はゲームの中の彼に惚れこんでいた。優しい言葉ですぐにその気になり、疑うということをほとんどしない。人付き合いが少ないせいもあるのかお金は持っているらしく、課金額もそれなりにあった。  調査が通常の半分ほど進んだ頃、彼女は突然ゲームをやめ、その時は焦ったけれど、逃すわけにはいかないと思い、何とか接触を開始した。偶然を装って知り合うのは少し骨が折れたけれど、知り合ってしまうと後は簡単だった。  どうしたの、と彼女が言った。彼女がこちらを見ている。俺は、何でもないよ、と微笑んで答えた。
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