1人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
10年前の12月24日は日曜日で、小学校は休みだった。
僕は4年前の小学2年生の頃に父を病気で亡くしていて、母と僕の2人で生活していた。
母は僕を育てるために食堂でパートの仕事をしていた。
母は毎日仕事で疲れていただろうに、いつも笑顔で僕には優しくしてくれて、僕は母に心から感謝していた。
そんな母に何かプレゼントしたいと思っていたけれど、僕にはお金がなかったから、せめて花でもプレゼントしたいと思って家のすぐ近くの裏山に入って花を探そうと思った。
前日に雪が降って雪が降り積もっていたけれど、僕が山道に入ると1人の女性が木の下の花を見つめて立っていた。
僕が近づくとその女性が僕に、
「こんにちは!」
と声をかけてくれた。
その女性はとても綺麗な人で、僕は少し戸惑いながら、
「こんにちは!」
と挨拶を返した。
「君は何年生?」
女性から聞かれて僕は、
「小学6年生だよ!」
と正直に答えた。
「こんな山に1人で何をしに来たの?」
さらに質問をしてきた女性に僕は少し戸惑った。
「ごめん、まずは自己紹介しなきゃね!
私の名前は『柊華』、20歳よ!」
柊華さんは笑顔で僕に自己紹介した。
最初のコメントを投稿しよう!