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「僕は『弦月』だよ!
綺麗なクリスマスローズの花を探しに来たんだ!」
僕は柊華さんを信用して正直に答えた。
「そうなのね…
私も一緒に探してもいいかな?」
柊華さんの言葉に少し驚いたけれど、僕は何となく柊華さんは悪い人じゃないと思った。
「うん、いいよ!」
僕は少し緊張しながら答えた。
「どこに行くの?」
柊華さんの質問に僕は、
「奥の沢に向かって行くつもりだよ!」
と答えた。
柊華さんから何故花を探しているのかを聞かれた僕は、母にクリスマスプレゼントをするために花を探していることを伝えた。
僕は父を亡くしていて、母と2人暮らしであることなど、柊華さんに自分の身の上を正直に話した。
なぜ柊華さんに自分の身の上を正直に話したのか、よく分からないけれど僕は柊華さんのことを信用していたことに間違いないと思う。
沢までの山道を歩きながら、柊華さんと僕はクリスマスローズの花を探した。
雪が積もっていた山道は滑りやすくて、柊華さんと僕は足元に注意しながら歩き続けた。
もう少しで沢に到着するという場所の崖にある木の下で、柊華さんがクリスマスローズを見つけた。
柊華さんも手伝ってくれて、クリスマスローズを根から掘り起こして、僕は持ってきたビニール袋に入れた。
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