レアCが愛される道理は無い

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*********** wwwwwwwwwwwwwwーーー文字制限を超えたため以降は削除されましたーーー』 画面上に表示される文面を見てあっけにとられた 何だこれは なんなんだコイツは こんなの こんなの無理ゲーじゃないか・・ 私は脇に置いてあったゲームのパッケージを手に取って、しげしげと眺めた。 『レアCちゃん大逆転!~ご主人攻略で復活せよ~』 「ゲーム内で削除されたレアCキャラ」となって、復活のためにご主人を説得するというゲーム。ゲームには「ご主人」が多数用意されていて、それぞれに個性的なAIがセットされているという。友人から超面白いと勧められてたのでやってみたのだが。 私からアプローチしたご主人AIの反応と心の声は画面上で逐一表示された。今回のメール返信もメニューの受信BOXに届いており、あの文面だ。とてもじゃないが攻略する余地が無い。 これの何が面白いのか・・・ いや。 私はゲーム画面に視線を戻し、ソファにふんぞり返るご主人を眺めてニヤリと口元を歪めた。なるほどなるほど。これは確かに。 友人からもネタバレ無しでやってみてと念押しされおり、まずは真面目に攻略してみようと思ったが、いやはや。これからが一番面白くなるところか。 あらため画面を操作し、システムメニューを開く。その中でひときわ目立つ選択肢を見た。そう。これだ。最初から少々気になってはいたが、こうして溜めに溜めたところで使うわけか。 「このご主人を削除する」 要はリセット、セーブデータの削除だが、なぜこんな書き方するのか。思わずククっと笑った。今ならその意味がよくわかる。選択肢を押すと、パっとメッセージが表示された。 「本当に消してしまうのですか?」 その下には大きな注意書きが。 「ご注意!一度削除するとご主人は二度と復活できません」 ご注意ねぇ。 メッセージの横では、私の名前を冠し、私に似せてクリエイトしたキャラクターが、邪悪な微笑みをたたえていた。ご主人攻略の時には無かった絵。ここでしか見れない、このために用意された表情。 こんなニクイ演出までするとは、やはりゲーム作者もわかっててやってるな。 この瞬間が一番のカタルシスだと。 すでにご主人には削除の警告を送っている。彼は何やら勘違いしてたようだが細かいことはもう良いだろう。私はカーソルを「本当に削除する」ボタンに合わせ、彼に語り掛けた。 あなたを消す理由はね。愛が無いからよ。 ボタンを押すと、横にいたキャラクターが意気揚々と頷いた。 (おわり)
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