12人が本棚に入れています
本棚に追加
/155ページ
「珍しいな。坂上ってあんまり怒るイメージないけど。バスケしてる時は鬼気迫るってカンジだけどな」
「へぇ、本城って理絵に興味あるの?」
思いがけない本城の言葉を、瀬里奈は意外に感じた。「長い付き合いのカレいるケド?」
「知ってるよ、時々仲良くふたりで喋ってるのを見たことあるから」
肩を竦めて答えた本城は、「たまたま、バスケ部の練習を見かけたんだよ。普通に横井と喋ってる時とは別人で驚いた」
「ふぅん」
瀬里奈は実は、理絵の部活での姿を見た事がない。講義が終わると、他の友達と遊びに行くか、アルバイトがあるので帰ってしまうからだ。
理絵とは大学内だけというより、講義の合間とランチ程度の付き合いなのだ、と改めて気付いた。それだけ、理絵はバスケットボールに熱中している。その姿を、自分は見た事がない。試合を応援に行くなど考えた事もなかったのだ。
理絵は二年生ながらもレギュラーで、全日本選抜メンバーに選ばれる程の実力があるらしい。この情報は別の友達から教えられた。
最初のコメントを投稿しよう!