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刑事だったのか!
だったら、私は榛名美織だと言うべきだったのでは?
警察に嘘をついてしまった……
いろいろとまずいことになりそうだ。
ひょっとして私は幽霊かも。
そんなことも考えてみた。
しかし、はっきりと自分の体は存在するし、訪れた刑事たちと会話が成立している。
名刺も物理的に受け取った。
私は幽霊ではない。
私は死んでいない。
しかし、ニュースでは私は殺され、部屋は燃やされたとのこと。
ニュースは本物なのか?
火事の規模はどのくらいだったのだろう。
私の私物や財産はどのくらい残っているのだろう。
……帰らなくちゃ……
この部屋はどうする?
私は由香が合い鍵をどこに置いているのかを知っている。
以前に同居していた時に置いていた場所を探してみると、案の定、鍵はそこにあった。
私は由香の部屋に施錠し、自分のアパートへと向かった。
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