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火事は本当だった……
私の部屋は全焼していた。
幸いにも、隣部屋への延焼はそれほどでもなかった。
この後、私は火事の責任を負わされるのだろうか?
ん?
私は死んだことになっている。
このままにしておけば、責任から逃れられる?
いや、そんなことはない。
私はこれからも榛名美織として生きていかないといけない。
私は榛名美織であり、生きているということをどこかでカミングアウトしなくては。
部屋は、まだ警察や消防が現場検証をしていて、近づくことができなかった。
そこ、私の部屋なんです……と言いたかったが、言える雰囲気ではなかった。
部屋を失い、私には居場所がなかった。
とりあえず、由香の部屋に帰ろう……
由香に会って、昨夜のことを聞こう。
それしか方法がない。
今、私が警察に行ったところで、提供できる情報は何もない。
昨夜の記憶がまったくないのだ。
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