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二日酔いで痛む頭を抱えながら私は考えた。
遺体は誰なのか?
まず、考えられるのが「由香」であった。
今日はまだ、由香に会っていない。
由香は昨夜、私の部屋に来て一緒に飲んでいた。
私は酔いつぶれた。
その後、犯人は、私または由香を殺す目的で私の部屋に入ってきた。
犯人は由香を殺害後、部屋に火を放った。
この考えで謎なのが、なぜ私が助かっているのか、という点だ。
次に思いついた推理は、とても嫌なものであった。
私が由香を殺害して自室に火を放ち、そして由香の部屋へと逃走した。
これが一番、辻褄が合ってしまう。
私が殺したの?
私が自分で火をつけたの?
しかし、いくら酔っていても、私がそんなことをするとは思えない。
第一、動機がない。
私は由香に対して、何ら敵意も憎悪も抱いていない。
高校時代から共に女優を目指してきた親友だ。
昔はケンカしたこともあったけど、ここ最近は何も心当たりがない。
そもそも、私の方が女優の仕事で忙しくなり、また、私の方が金銭的にも稼げているので、少なくとも私が由香に嫉妬するような点は何一つない。
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