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「消し屋、の……竜胆?」
確かに、私は消し屋が来てくれる様にお願いをしたが――まさか、同い年位の少女だったとは。
と、目の前の消し屋と名乗る少女は、ひらりと着流しを翻し、私の勉強机に優雅に腰掛ける。
そうして、煙管の火皿部分を私に向けながら、語り掛けてきた。
「さァ、折角こうして来たんだ。早速、あたしに聞かせておくれ。あんたが何を、何故、消して欲しいのか」
そんな彼女の言葉に促される様に、私は螺鈿細工の施された美しい火皿を見つめたまま、ポツリポツリと今まで自分が置かれてきた境遇について、話し始める。
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