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こうして、目の前の少女に全てを打ち明けた私。
と、彼女は何度も頷きながら、私に確認を取る様にこう尋ねて来る。
「ふむ、成る程ねェ。つまり、あんたはその『ハブき』ってェのが耐えられなくて、自分をこの世から消して欲しいンだね?」
少女の言葉に何度も頷く私。
と、彼女が私の勉強机から飛び降りる。
そうして、徐に、自身の右手を差し出して来た。
彼女の右手は、金糸で刺繍の入った豪奢な布の手甲で覆われている。
そうして、手甲の上から何重にも絡められている長い水晶の数珠。
少女は、その数珠を外しながら、私に向けて大きく頷いてみせた。
「まァ、良いだろう。あんたのその願い、この消し屋の竜胆様が叶えてやるよ」
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