消し屋の竜胆(りんどう)

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そう話しながら数珠を外し終わると、今度は手甲を外していく少女。 露わになった彼女の白い右手――その手の甲には、開花した竜胆の刺青(いれずみ)が大きく()り込まれていた。 と、不意に紫色の光を放つ、竜胆の刺青。 同時に、私に確認をする様に少女が尋ねて来る。 「確認するが、あんた自身を消すんで良いンだね?」 彼女の言葉に、今度は私が大きく頷いてみせた。 「ええ、そうよ!私は、私自身を……私のこの体を、この世から消し去って欲しいの!」 すると、私の言葉に反応する様に、少女の手の甲の刺青が一際強い光を放つ。 「承知した!」 強く――しかし、凛とした声で、そう言い放つ少女。 「消し屋竜胆の名において、遠藤 美佐緒……あんたの肉体(からだ)をこの世から消し去ろう!」 瞬間、少女の刺青から、沢山の竜胆の花弁(はなびら)が溢れ出して来た。 私を包み込む様に、全身に張り付いてくる竜胆の花弁。 そうして、竜胆の花弁が最後に私の瞳を覆うと同時、私は意識を失い、その場に倒れ込んだ。
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