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――そこからの展開は、まさに地獄だった。
包丁を持ち出した母は、そのまま私のクラスメイト達の家をまわり、彼らを家族ごと惨殺し始めたのだ。
私の為に、両手を真っ赤に染め……それでも歩みを止めない、私の大好きな母。
(お母さん!お願い、もう止めて!)
必死に叫ぶ私。
しかし、私が叫ぶ声が、母に届く事は無かった。
やがて――私をハブいたクラスメイト達を惨殺し終えた母は、ふらふらとした足取りのまま、私が通っていた中学校に向かう。
そうして、夜の昇降口のガラスを叩き割ると、校舎内に侵入し、階段を上っていった。
母が到着したのは3階――私の教室がある階だ。
(ま、さか……?)
私は、嫌な予感を感じ、必死に母に手を伸ばす。
けれど、私の両手はひたすら空を切るだけで――。
(いや、いや……嘘でしょ?!止めて!お願い、お母さん……!)
そんな私の願いも虚しく……私の大好きな母は、教室の窓から身を投げた。
「美紗緒……気付いてあげられなくて……守ってあげられなくて、本当にごめんね……」
(お母さん?!お母さんっ?!いやぁぁぁぁぁ!!!)
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