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それは、転校初日の6時間目――家庭科の授業中の出来事だった。
6人で1班となり、火を使わずに簡単なお菓子を作るという課題が出された際、この町では完全に余所者だった私は、クラスメイト達に見事にハブられてしまったのだ。
なんと、班決めを行う際――、
「どうせ班を組むんなら、仲良い人と組みたいよね」
「分かる!知り合い同士じゃないとやり辛いもん!」
「そうそう。その点私達は、皆昔から同じ幼稚園だし、お互いよく知ってるもんね」
こんなやり取りが、私の直ぐ目の前で繰り広げられたのである。
そう。
実はこの町、小さな田舎町故に、幼稚園や保育園も1つしかない。
つまり、このクラス――いや、同じ学年にいる生徒全員がほぼほぼ昔からのお知り合い(下手をしたら昔からお付き合いのあるご近所さん)という訳なのだ。
しかも、各学年1クラスのみと人数が少ない上、幼稚園や保育園から長く一緒だった為、学年を跨いでの連帯感もある。
そんな中に放り込まれた私は、彼らにとっては和を乱す、完全なる余所者に見えた事だろう。
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