消し屋の竜胆(りんどう)

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そんな余所者扱いをされる日々は、私が中学校に上がってもしっかり続く事になる。 何故なら、小学校と同じく、中学校も1つしかないからだ。 つまり、小学校のメンバーが漏れなく中学生に繰り上がっただけな訳である。 小学生の頃から村八分状態だったメンバーと、中学生になったからと言って急に仲良く出来る訳がなく――。 中学生になっても、私の苦しい日々は続いていった。 最近では、図書室に残って勉強をしていたら、図書委員の生徒に外から鍵をかけられたことまである。 あの時は、私が図書室の中から大声を出し続けたから、先生方に直ぐに発見されたが……もし、あれが夏休み直前の終業式だったら――? そう考えると、今でもゾッとする。 ちなみに、私を閉じ込めた図書委員の女子が、確認もせずに鍵をかけた事を叱った先生に言い放った言葉がこちらだ。 「ごめんなさいね。貴女がいるって気付かなかったのよ。だって、そもそも、貴女『知らない人』だから。顔を覚えていなくって」
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