41人が本棚に入れています
本棚に追加
☆
部屋に戻ってギターを鳴らしてみた。
ポロロン……
一人になると、情熱が空回りするあの音が聞こえて来るから。
全ての音は必ずドレミファソラシドのどれかになる。考えてみれば不思議だよな。
国や地域で多少の違いはあっても、基本的に音階はこの七つ。
それを組み合わせ、人はメロディーを作る。
無限の組み合わせの中の一つに名前を付けて、命を吹き込む。
だから、作曲……
世界で一つのメロディーを作る事は楽しいけど、簡単じゃない。
曲が出来たら、リズムやキーや使用する楽器、コーラスなど曲の全てを決定する編曲が必要だ。歌が売れるかどうかを決定する、と言っても過言ではないかも。
一度聴いたら耳に残る様な、印象的なイントロや間奏等を作るのは実は作曲ではなく、編曲の仕事なんだ。
だから、編曲……
曲を編み、仕上げる事は楽しいけど、簡単じゃない。
そうして出来上がった歌を演奏して人に聴いてもらう事も、もちろん楽しいけど簡単じゃない。
歌唱力、演奏技術はもちろん、見た目のかっこよさや可愛らしさ、ダンスやパフォーマンス、どうかすると使っている機材まで評価される場合もあるのだから。
ここまでは誰もが頷いてくれるだろう。
やった事がなくても想像出来るだろう。
良い曲を作るのは楽しいけど、簡単じゃないと。
それなのに。
最初のコメントを投稿しよう!