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一
姉ちゃんがしんだ。
まだ13歳だったのに。
メンタルが弱っていて、最近はずっと寝たきりだったけれど。
でも、元気だった時の姉ちゃんも知っている。
明るくてハキハキしてて、小学校の時は頼れる自慢の姉ちゃんだった。
運動会の時に転んで怪我をした時は、生徒席から走って助けにきて、一緒に救護エリアについてきてくれたり。
面倒見の良い優しい姉ちゃんだった。
変わったのは中学に上がって部活を始めてから。
その持ち前のリーダーシップが仇となって目をつけられていじめられていたらしい。
どうして姉ちゃんが、そんなくだらない理由でターゲットにされなきゃ行けなかったんだ。
一緒にかけっこして遊んでた時も、終わりの見えない他愛のない会話をしていた時も、ずーっと姉ちゃんは笑っていた。
棺の中の姉ちゃんも、笑っていた。
どうして、笑ってられるんだ。
もうそっちには僕らはいないよ?
なのに、こっちよりもそっちの方がよかったの?
どうして、置いていってしまったの。
こっちの僕らはちっとも笑顔になんかなれないよ……。
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