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キスをされ、触れられて、それ以上をされて。
好きになった子はいても、付き合うまでいった子はいなかった。
春樹だけが初めて付き合った存在で、だが、ここまでしたことはなかった。
こんな事されるのは、触れさせるのは樹が初めてで。
親友だと思ってた樹にされるのは嫌なのに、心の方は春樹に捨てられたショックと悲しみで今にも壊れそうだった。
だから、嫌なのに樹の事を受け入れてしまった。
荒い息を繰り返す俺の唇を樹が塞ぐ。
昔からへらへらにこにこしていて能天気。
美形なのにチャラくて、いつも周りに女の子ばかり侍らせている。
平然と授業すらサボるような適当さがある幼馴染みであり親友。
そんな樹が、熱っぽい目で俺を見下ろし、愛おしげに髪を撫でてくる。
熱を帯びた身体は熱く、腰を打ち付けられる度に俺は樹の背中に爪を立てて、悲痛に声を漏らしていた。
『大丈夫…大丈夫だよ…力抜いて…俺に委ねて?』
『かわいい…シュウ…俺だけの…かわいいシュウ…。
やっと手に入った…。
最初からこうすれば良かった…もう、絶対に誰にも渡さない…。』
シュウのそんな呟きは、もう俺には聞こえていなかった。
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