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シュウは俺にとって大切な幼馴染みで親友だ。
たまに平凡だとか抜かす奴がいて、そんな事を抜かす奴の神経がわからない。
シュウはこんなにも可愛いのに。
だから昔から大切に大切に守ってきた。
好きな子がいれば必ずシュウからリサーチして、先回りして俺の方を好きになるように仕向ける。
たまにシュウは優しいから、シュウを好きになるような女の子もいる。
そんな時は、全部俺に向くように仕向けて、ことごとくシュウの青春フラグを叩き潰してきた。
だが、今回に限っては最悪な相手だった。
源川春樹。転校生だ。
今回の相手は男だった。
男なんてあり得ないと言っていたから、俺はこの思いを押し隠すしかなかったのに。
だから俺の勘も鈍った。
いつもなら何でも俺に相談してくれるシュウも話してくれなかったから、付き合うところまで行かせてしまった。
だが、付き合ってからも、いくらでもやりようはあった。
だから実行した。
俺には男も女も、死ぬほど知り合いがいる。
普段はシュウに手を出せない発散を、そこらでしていたのだが。
知り合いの男を一人、源川春樹に近づかせた。
ユキという中性的な美人だ。
そいつは俺に従順だから、何でも言うことを聞く。
ユキに春樹の事を好きで、意識しているような素振りを見せたら、ミステリアスな転校生だと言われた春樹も、イチコロだった。
物静かそうに見えた源川春樹。
なんだかんだ美形が好きだったようで、積極的に罠にはまって、さっさとシュウを捨てた。
ユキから送られてくる源川春樹との動画を見る限り、ずいぶんユキにご執心なようだから、シュウとよりを戻そうという気はなさそうだ。
邪魔者も消えた。
男なんてあり得ないと言っていたが、今回シュウが好きになった春樹は男だ。
これでシュウが男もいけるのがわかった。
だったら、それを狙わない手はない。
もう迷わないし、シュウが手に入るのなら、手段は選ばない。
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