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次の日。
バージル様に激しく抱かれた夜は、さすがにアデルバート様の夜伽は体調不良ということで休んだ。申し訳ないけれど、あれ以上愛されるのは無理だった。体中が筋肉痛で、バージル様と私の体力の差を思い知らされた。
以前よりバージル様は、私に触れるようになった。
抱きしめたり、頬にキスしたり。互いに目が合うと、微笑み合う。穏やかに、バージル様と過ごせるようになってきた。
数日が経ち、私とドラゴランの王がランバルト国へ行くことが決まったと聞かされた。
「二日後、ですか?」
「そうだ」
アデルバート様は少し不機嫌そうに答えた。
バージル様と順調に愛情を深め合っている途中だが、アデルバート様とはまだ通じ合ってないような気がする。
私はドラゴラン国の妃となる者。
もっとアデルバート様に歩み寄らなければならない。
「馬車の旅だと、ランバルト国まで一週間かかります。色々準備いたしますね」
そう言って私は、旅の準備をしようと政務室を出ようとした。
「テオドール様。馬車でランバルトへは行きません」
政務室で、アデルバート様の横でお仕事をしていたヒュームさんが返事をした。
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