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少しむくれたように私の両の手を恋人繋ぎをして、顔を近づけて話を聞こうとする。
「わっ!」
バージル様は私を持ち上げて、脚の上に座らせた。
ベッドの端に座っているバージル様の脚の上。
バージル様に支えてもらわないと、床に背中から落ちそうだ。
「テオドール」
わざと腰を支えている手を緩めたりした。グラグラと私の体がのけぞり、倒れそうになる。
「ひゃっ……!」
「おっと、危ないな」
ニヤニヤと笑ってバージル様は私の腰を引き寄せた。
のけぞった首にバージル様は唇で触れて、吸った。
「あ!」
チクリとしたそこにはきっと、キスマークがついただろう。
「しばらく会えなくなるから、しるしを」
今日は抱かれない日。なのにバージル様は意地悪だ。
「そうむくれるな、テオドール」
はははは! バージル様が声をあげて笑う。
バタン!!
その時にノックも無しに私の部屋の扉が乱暴に開けられた。
ラント君が焦ったように後ろにいるのが見えた。
「今日はテオドールを抱かない日……だった筈だが?」
「アデルバート……さ、ま」
燃えるような目をしたアデルバート様が、部屋の中に入ってきた。
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