一章 1

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一章 1

ある大陸の端っこの端の小さな国 ランバルト。 王族を初め、民も皆穏やかな気性でのんびり。  その気性のせいか、いつもぎりぎりの生活。王族といっても民と一緒に畑仕事をするほど貧乏。自給自足の毎日。なので王族と民は、まるで家族のように仲良く暮らしていた。  「父上。今年のじゃがいもの収穫量は、全国民に行き渡る位に豊作です」  私は畑でじゃがいもの収穫量を調べていた。畑で民と一緒に、収穫作業していた父王に話しかけた。  「おお! テオドール。豊作で良かった良かった!」 剣を(くわ)に持ち替えて畑仕事をしている父王は、豊作を喜んだ。 「兄さん。良かったな。これで冬を何とか越せるな」 「人参も収穫量が良かったよ」 荷台にたくさんの人参を積んでやってきたのは、双子の弟達。  「レオ、リオ」 双子の弟達は、父王にそっくりでガッチリとした体格の男前。金髪に青い瞳の王子達。貧乏小国じゃなければ、近隣国からお見合いの申込みが殺到しただろう。
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