雪の思い、で

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一年中雪が途切れることがない世界があった。 普通雪が振り続けたら積雪で雪かきが大変だとか、寒くて家から外にでるのが億劫になるとか、路面が滑りやすくなって危険だとか、そういった夢のない現実的な意見はここでは不要である。風流のないお考えだとわたしは一刀両断するだろう。 住民は雪を楽しんでいる。この世界の雪は特殊だ。なにせ積もることがない。そして気温も寒いというわけではない。なので外出が億劫になることもない。 なんて都合のいい話だろう、と思った方は厳しい雪の現実を知っているたいそう大変な経験を毎年しているのでしょう、それはそれは大変お疲れ様です。 話を戻そう。この世界は外からの情報もない。完全に独立した世界線。切り離された世界。 そんな世界で雪に疑問を抱く一人の男性がいた。
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